コラーゲンの生理学

皮膚状態の悪い女性を見るといつも栄養の問題を考えます。

 

コラーゲンは結合組織の一部ですが、蛋白分子の鎖からなる組織です。

 

このコラーゲンという組織の形成に必要なのはアミノ酸とビタミンCとFe+です。

 

閉経前の女性に関してはタンパク質の不足もあるかと思いますが、多くは鉄の不足が問題となっているように感じます。

 

潜在性鉄欠乏貧血は成人男女とも6割以上であるという報告もあることから、非常に身近な栄養の問題であるように感じています。特に45歳以下の女性に関してはこの問題が顕著です。このことは月経による鉄の損失が問題であるようです。

 

鉄という栄養素は極めて閉鎖的なシステムで制御されています。これは吸収に関しても対処に関しても急には行われないという認識で大丈夫です。

 

通常は鉄はタンパク質と結合してフェリチンという物質の状態で細胞内に存在します。このことは鉄が電荷を持ち酸化しやすいことから、鉄の細胞障害性を防ぐ上で非常に重要な要素です。

 

そのため、鉄は吸収において、動物性たんぱく内に含まれる鉄で補給することが重要な要素になります。ほうれん草や大豆の鉄は非ヘム鉄といい、生体内でタンパク質と結合させて吸収しないといけないので大きく吸収効率が低下します。

 

鉄の不足を生じるとどのような訴えが出るかといいますと、粘膜と皮膚の萎縮と機能の低下(下痢や吸収障害)、神経症状(精神・神経症状、易興奮性、集中力低下、頭痛など)、運動機能障害(動機、息切れ、疲労感、倦怠感)、寒がりなどなどですが、加えて、コラーゲン形成不全です。

 

そのために徒手療法を行う上でリスクとなります。つまり、コラーゲン形成不全がある場合には徒手療法を強めに行ったり、硬さが取れるまでやったりした場合に関節不安定性になりやすいということです。

 

実際に、徒手療法後に痛みの訴えが発生してしまう条件の一つにコラーゲンの問題を日頃の臨床で感じています。おそらくは繊維の質と量ともに弱いことが想像できます。

 

そのために血清フェリチンが100±60が正常値、<12では鉄欠乏を伴い、Tf(トランスフェリン)<10であれば鉄とタンパク質の強い欠損状態を伴います。そこでAlb<3.6であれば運動を積極的に行う意義は何なのか疑わしいです。80歳以上の方では蛋白欠損は非常に多いです。もう一度数値を見て徒手療法の選択や運動処方を考えることが必要な気がしています。

 

視診では爪と皮膚の状態、体格(やせている女性は特に多い。)触診では結合組織の水っぽさなどで評価しています。

 

栄養が体の表面に出てきているのを見ると、栄養学と心理学と運動学が非常に密接に関連していることを再度認識します。